ユーザインタフェース

Windows Vista

Windows Aero(ウィンドウズ エアロ) Home Premium、Business、Enterprise、Ultimateに搭載。
Windows XPのLunaに替わる新しいUI。
3Dグラフィックを使用し、透過ウィンドウ、フリップ3Dなどの視覚効果が可能(詳細は視覚スタイルの節を参照のこと)。
これらの視覚効果は、従来の画像処理APIであるGDIに代わってDirectXを用いて処理されるようになっており、GPU性能を限りなく引き出すようになっている。
このため、高性能なGPUを搭載している場合においては、その派手さとは裏腹に、GDIを用いた従来の場合よりも高速な処理を期待できる。
反面、パソコンのスペックによっては、Aeroを有効にすることによりパフォーマンスが落ちることがある。
シェル スタートメニューが整理され、表示方法やフォルダウィンドウの操作性などが変更された。
これにより、一つのアイコンを探すのに微妙なマウスの動きが必要になる一方、マウスの移動距離そのものは若干だが少なくて済むようになった。
このため、微妙なマウスの動きが得意なユーザにとっては、従来バージョンに比べて少しだけだが使いやすくなったと考えることができる。
タスクバーの内容がサムネイル表示できるようになった(ウインドウプレビュー機能)。
これによりフォルダの中身を表示したり、アイコンの大きさを自由に変更できるようになったため、ファイルやその内容の確認がしやすくなり可視性が向上した。
音声認識 音声認識技術の向上によって音声での文字入力および音声でのパソコンの操作が可能である。
タブレット機能 Home Premium、Business、Enterprise、Ultimateに搭載。
Windows XP Tablet PC Editionから受け継いだ機能。
ペンタブレットやタブレットPCで動作する。
ペンの動きで簡単な操作を行う「フリック」が追加された。
日本語環境の充実 新デザインの日本語フォント「メイリオ」が搭載され、JIS漢字コードのJIS X 0213:2004 (JIS2004) に対応した。

セキュリティ

Windows Vista

Windows Update Windows XP以前で採用されていたWebベースでのインタフェースが廃止され、コントロールパネルから利用するようになった。
ユーザーアカウント制御 (UAC) Vistaでは管理者アカウントであっても通常は一般ユーザー以下の権限で動作し、管理者権限が必要なときにダイアログでその確認を求めるようになった。
これにより、システムに変更を与えるプログラムの動作の可否を確認する手順を設ける事ができるため、システムに重大な影響のある操作を不用意に行ってしまうことを防止できる。
ユーザーアカウント制御は、ほかの管理者ではない標準ユーザーがログインした状態で管理者のパスワードを入力すると再起動の必要なくその場で管理者の権限を得ることができるため、標準ユーザーからでもソフトウェアなどをインストールすることができるようになった。
Windows XPなどUACのないバージョンからアップグレードされたVista環境では、旧環境でインストールされたアプリケーションの動作互換性のために、UACが一部緩和されている。
このため、クリーンインストールした環境とアップデートした環境とで、同じVistaでありながらアプリケーションの挙動が異なるといった事態が起きている。
Internet Explorer 7 の保護モード UACの関連機能の一つ。
信頼済みサイトに登録されていないサイトを閲覧する場合、Internet Explorerを通常より低い権限で動作させ、悪意あるプラグインなどからコンピュータ内のファイルなどを操作されることを防いでいる。
なお、副作用として保護モードで閲覧中はIMEのプロパティ変更や、辞書登録などが行えず、既に辞書登録済みの単語が変換候補に出ない、共有プリンタから印刷ができない等の問題が起きている。
なおこの機能は上記UACに依存するため、Vista/Server 2008で動作するIE7にのみあり、UACのないWindows XPやWindows Server 2003用のIE7にはない。
Windows リソース保護 WRPで保護されたファイルは、削除や変更が出来なくなっている。
これにより、システムファイルを削除したり改変するような操作の過失や、悪意あるアプリケーションから守られている。
この機能は上記UACとは独立して動作しており、たとえ管理者権限を有していたとしても削除や変更が行えない。
なお、Windows Updateが行う変更については例外的に許可されている。
Windows Defender スパイウェア(悪意のあるソフトウェア)を検出・削除するアプリケーション。
ほかにも、スタートアップアプリケーションの管理やアプリケーションが行った不正な変更の監視なども行うことができる。
ちなみに、Windows Defenderのスパイウェア定義ファイルは定期的に自動で最新版に更新される。
保護者による子供のパソコン利用規制機能 いわゆる一部のゲームやアプリケーションの起動、インターネットにおける特定のコンテンツの閲覧を制限させる機能。
ドライブの暗号化 Enterprise、Ultimateに搭載。
Windows XPまでに搭載されている暗号化ファイルシステムに加え、TPMもしくはUSBメモリと組み合わせて用いるBitLockerと呼ばれる暗号化機能が搭載される。
サービスとドライバのSession 0 分離 Vistaでは、以前のOSとは異なりサービスやドライバの動作するセッションと、フロントエンドのアプリケーションが動作するセッションが切り離された。
これにより、ユーザーが実行した(もしくは、知らずに実行してしまった)悪意あるアプリケーションから実行中のサービスやドライバへ介入する手段が制限された。

システムおよび環境

.NET Framework 3.0 アプリケーション製作環境の新しいバージョン。
マイクロソフトの説明によると、この規格で3Dを活用したソフトウェアなどがより簡単に製作できるとしている。
Windows SuperFetch ユーザーのアプリケーション利用パターンに基づいて必要なデータをメモリ上にキャッシュし、アプリケーションの起動や切り替えの時間を短縮する技術である。
Windows ReadyBoot Vistaの起動時のブートプロセスを学習し、そのシステムで最適化された起動のパフォーマンスを向上させる機能。
メモリが512MB未満のシステムの場合はWindows XP相当のプリフェッチを行い、システムに 700 MB 以上のメモリが搭載されている場合は、メインメモリのキャッシュを利用してブートプロセスを最適化する。
過去5回のトレース情報を元に、CPUの空き時間を利用し、次回のキャッシュ計画を生成する。
Windows ReadyBoost フラッシュメモリの記憶領域をキャッシュメモリとして使用し、総合的なパフォーマンスを向上させる。
PCに搭載している物理メモリと同じ容量か、それよりも多いものを使用することが推奨されているが、小容量でも効果が出ないわけではない。
容量は空き容量が230MB以上のものが必要、設定可能な容量の上限は、32ビットのアドレス長の最大である4GBまで。
Windows ReadyDrive ハイブリッドHDDをサポートするための機能、またハイブリッドHDDを活用した省電力機能。
DirectX 10.x 新しい表現能力とハードウェアの性能をフルに活用したDirect Xの新バージョン。
マイクロソフトによると、これによってゲームのスピードが向上し、ユーザーは新しい体験を手に入れることが出来るとの事である。

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